
「聴覚」によって音を捉えることだけが「聞く」ことのすべてではありません。
「聞く」という行為は多面的であり、それを意識するだけで、
コミュニケーションや業務を円滑に進めたり、精神的な安らぎを得たりするなど、
ポジティブな効果を得ることが可能です。
勉強法のはじまり
七田式の創始者である七田眞は、第二次世界大戦下の北京で学生時代を過ごしました。
当時、戦争の激化で学校は工場と化し、少年たちも兵隊のような格好で訓練に明け暮れる日々でした。
授業はなく、夜の勉強時間も疲労で身に入りません 。将来を考える余裕もないまま終戦を迎え、18歳で日本に戻った時には「からっぽの頭」状態だったといいます。
高校2年に編入するも、学力は最低レベルで、特に英語は中学1年の内容すらわかりませんでした。
危機感を抱いた眞は、夏休みに1か月で中学英語を取り戻そうと決意します。勉強法がわからなかったため、まず中学英単語をすべて覚えることにし、時間短縮のため「ひたすら口に出して早く言う」音読を実践しました。
さらに、片耳を押さえて音読すると自分の声が脳に響き覚えやすいことに気づき、それを繰り返しました。
この独自の勉強法により、眞は中学・高校の英単語を習得し、数年前まで簡単な単語も綴れなかったにもかかわらず、後に通訳の仕事に就くほどの英語力を身につけることができました。
眞は通訳を経て英語塾を経営し、学習法の研究を続けました。
眞が偶然発見した「音読」は、現代では記憶力向上やストレス軽減、コミュニケーション能力の向上など多くの効果が証明されています。
当時、無我夢中で取り組む中で、この画期的な勉強法を発見したのでした。
聴覚への刺激は記憶に残りやすい
現代は情報量の約8割を目から得るなど視覚に頼りがちで、聴覚を磨く機会が減っています。
しかし、太古の人類が夜間に聴覚を研ぎ澄ませていたように 、聴覚は記憶において視覚より優位な面があります。
また、脳の記憶を司る部位である海馬は耳に近いところまで伸びており、耳から入った情報は海馬にアクセスしやすい構造になっています。
さらに、記憶に関わる側頭葉も海馬と連携している構造のため、聴覚を活かすことは記憶にとても効果的であるといえます。
特性を理解する
物事を記憶する方法は、書いて覚える、音読するなど人によって得手不得手があります。
これは「認知特性」と呼ばれ、五感から入る情報をどう記憶・処理するかが個人で異なるためです。最適な勉強法は人の特性により異なります。
七田眞が自分に合う方法を模索したように、自分や子供の特性を知ることで、最適な方法が見つかるでしょう。
一つの方法に偏らず多様な方法でインプットすることも大切です。
家庭では親が子供の特性を理解し、アプローチを変えることが効果的です。
聞いて・読むことで、脳の働きを高める教材のご紹介!
七田式 暗唱シリーズ
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対象年齢2歳~
暗唱の取り組みの真の目的は、口に出す内容をまるまる覚えてしまうというところにはありません。詩や俳句、名文を毎日聞き、読み、暗唱することで、記憶の質を変えることにあるのです。
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